連続窓と風景片の家

House of Regular Windows & Fragmented Sceneries

川沿いの土手道から一望できる場所で、旗状地かつ三角形という変形地において、住まい手家族の個性を主張する建物の立ち現れ方を考えた。
変形地に沿う外形であること、そして各階で必要な容積の検討から、積み木のような段々形状が導かれた。敷地形状に合わせたボリュームの分節は、建物の圧迫感を和らげており、また段々に合わせ規則的に配列した窓の連なりが外観にリズムを生みだしている。
室内からは、小壁に連続的に表れる縦長窓が景観を抽象断片化(ピクセレイト)し、インテリアの一部として取り込んでいる。
分節された建物形状と連続窓が、周囲の住宅街と土手側の景色のそれぞれと適度な距離感へ緩衝するフィルターとして機能し、屋内からはフィルタリングされた風景のかけらを楽しむ家が完成した。

  • Project Year: 2023-2024
  • Total Area: 100.41㎡
  • Construction:西安建設株式会社
  • Structural Design: Yosuke Kimura/Beyond Engineering
  • Lighting Design: Yuki Fujishima/U Lighting Office
  • Photo by Taisuke Tsurui, Yusuke Ando Architects
  • Drone shooting by Yusuke Ando Architects

連続的な変化を続けても全体としての形態的特徴を失わないフラクタル図形から着想を得て、変形敷地に沿った建物形状を生成する規則を考えた。
検討の初期段階ではアルゴリズムデザインツールRhinoceros+Grasshopperを用いて作図プログラムを組み、プロポーション等のデザイン性と室の広さといった機能性を調整していった。
今回は住宅サイズだが、同じ連続的変化を繰り返すことで、規模の大きな建物まで応用可能な形態生成原理となっている。